保険代理店の業務品質に欠かせない「アフターフォロー」、その内容とは?
2024.09.30
保険代理店の業務品質を評価する上でアフターフォローの重要性が高まっています。
保険業界、とりわけ生命保険業界は「契約を取ったら取りっぱなし」と言われてきましたが、なぜ今アフターフォローの重要性が高まっているのか?について、業界動向を踏まえて解説いたします。
あわせて、エルティヴィーの顧客管理システム「CSB」でできる、既契約者フォローについてもご紹介致します!
*更新履歴* 2022/12/28、2023/11/09、2024/9/30
業務品質として求められるアフターフォローとは
保険会社ごとに異なる業務品質の評価項目の統一化に向けた議論が、2020年の6月頃から生命保険協会内のスタディグループで進められた結果、業務品質の評価軸は「顧客対応」「アフターフォロー」「個人情報保護」「ガバナンス」の4つに収束。2022年度から、実際にその軸に基づいて保険代理店の業務品質の状況を調査・認定「アフターフォロー」については、苦情対応などの義務保全から能動的な連絡まで、既存顧客への対応に関して幅広い内容が全28項目に渡って明文化されました。そのなかから、主だったものをピックアップしてご紹介します。
生命保険協会ホームページ「生命保険乗合代理店業務品質評価運営要領」から一部抜粋
アフターフォロー時の顧客対応態勢
No. | 区分 | 設問 |
62 | 基本 | 保全対応について、以下の事項を行っている(※全て「1.はい」で達成) 63‐1:受付・保険会社への取次等の一連の流れ(保険会社から代理店で取次がず保険会社のコールセンター等への案内を求められている場合は当該案内をすること)が明文化されている 63‐2:保全対応もれが発生しない態勢(保全対応状況の一覧管理および対応状況確認等)を整備している |
65 | 基本 | 高齢者・障がい者等に対して保全活動を行う際には、お客さまの特性(行為能力や意思能力に配慮したわかりやすい説明の実施等)や商品特性(特定保険契約等)等を踏まえ実施する態勢を整備している |
70 | 応用 | 失効(未収解除を含む)防止に向けた取組み(失効契約の原因分析および必要に応じた取扱者あて指導、失効発生時の対応態勢の見直し等)を行っている |
72 | 応用 | 代理店自らお客さまに対し能動的なアフターフォローを行っている ※お客さまあて最新の商品・公的制度等の情報発信、定期的な加入契約状況のご案内等 |
お客さまの声・苦情管理態勢
No. | 区分 | 設問 |
73 | 基本 | 苦情の定義(お客さまからの不満足の表明等)が明文化されている |
80 | 応用 | 苦情について改善策を実施した場合、経営層がその後の改善状況を確認する態勢を整備している |
82 | 応用 | 感謝の声(意見や要望を含む)について申出内容を記録するとともに適宜業務に反映させる態勢を整備している |
顧客・契約情報管理
No. | 区分 | 設問 |
86 | 基本 | お客さま属性情報(氏名・住所等)を管理し最新の状態に保つ態勢(お客さま属性情報管理ルールの明文化と徹底等)を整備している |
87 | 基本 | お客さまの契約内容を管理し最新の状態に保つ態勢を整備している |
88 | 応用 | お客さまに対し能動的に連絡を取り(既契約者あて訪問や郵送による現況確認等)、お客さま情報に変更があれば連絡するよう案内している |
継続率
No. | 区分 | 設問 |
89 | 基本 | 継続率を定期的に把握・分析し、解約理由・経緯等を踏まえ、必要に応じて改善策(募集人への指導等)を実施している |
こうした各項目について具体的にどういった取り組みであれば業務品質の要件として「達成」なのか?も、協会のガイドラインにまとめられています。例えばNo.88・No.89についてはそれぞれ下記のように記載されています。
No.88:お客さまに対し能動的に連絡を取りお客さま属性情報に変更があれば連絡するよう案内している
【証跡資料例】
お客さま向け発信物、アフターフォローに係るマニュアル・体制図、お客さま対応記録
【達成条件】
代理店としてお客さまに対し能動的にお客さま情報の変更の有無について確認していることが確認できること(以下例示)。
・お誕生日月にお客さまに住所の変更等がないか確認する郵便物を発信していること。
・1年に1回はお客さまに電話をしてお客さまの住所や家族構成等の現況を確認する運営をしていること。
【未達成例】
・お誕生日月にバースデーカードを送っているものの、お客さまの現況について確認する内容までは含まれていない。
・お客さまの状況の変化は保険会社から連携される情報のみで把握している。
【証跡資料例】
お客さま向け発信物、アフターフォローに係るマニュアル・体制図、お客さま対応記録
【達成条件】
代理店としてお客さまに対し能動的にお客さま情報の変更の有無について確認していることが確認できること(以下例示)。
・お誕生日月にお客さまに住所の変更等がないか確認する郵便物を発信していること。
・1年に1回はお客さまに電話をしてお客さまの住所や家族構成等の現況を確認する運営をしていること。
【未達成例】
・お誕生日月にバースデーカードを送っているものの、お客さまの現況について確認する内容までは含まれていない。
・お客さまの状況の変化は保険会社から連携される情報のみで把握している。
No.90:継続率を定期的に把握・分析し、解約理由・経緯等を踏まえ、必要に応じて改善策(募集人への指導等)を実施している
※ここでの継続率とは早期での消滅のみならず、13 月目、25 月目等、代理店で自らモニタリング対象として定めている継続率を指す。
【証跡資料例】
いずれかの提出が必要
① 継続率を定期的に把握、分析していることがわかる資料
② ①の結果、必要に応じて改善策を講じていることがわかる資料(募集人への指導記録等)
【達成条件(一部抜粋)】
代理店としてお客さまに対し能動的にお客さま情報の変更の有無について確認していることが確認できること(以下例示)。
・毎月保険会社から連携される手数料明細から解約契約を抽出し、顧客管理システムに反映し、継続率を算出した上で、管理部門で分析を行っていること。
・募集人や拠点ごとの継続率を営業部門が算出しており、継続率に問題があると判断した募集人に対しては個別指導を実施していること。
【未達成例】
代理店として継続率を把握しているものの、継続率の分析や指導等の改善策は講じていない。
※ここでの継続率とは早期での消滅のみならず、13 月目、25 月目等、代理店で自らモニタリング対象として定めている継続率を指す。
【証跡資料例】
いずれかの提出が必要
① 継続率を定期的に把握、分析していることがわかる資料
② ①の結果、必要に応じて改善策を講じていることがわかる資料(募集人への指導記録等)
【達成条件(一部抜粋)】
代理店としてお客さまに対し能動的にお客さま情報の変更の有無について確認していることが確認できること(以下例示)。
・毎月保険会社から連携される手数料明細から解約契約を抽出し、顧客管理システムに反映し、継続率を算出した上で、管理部門で分析を行っていること。
・募集人や拠点ごとの継続率を営業部門が算出しており、継続率に問題があると判断した募集人に対しては個別指導を実施していること。
【未達成例】
代理店として継続率を把握しているものの、継続率の分析や指導等の改善策は講じていない。
未達成例も見てみると、保険代理店が主体的に顧客の様子(属性情報の変化)を把握する体制を備えていることや、そうして得た情報を適切に管理・整備できる仕組みやシステム導入も必要になってくると思われます。
このように項目毎に達成要件・未達成例が記載されているので、これから認定代理店を目指す方にとっては参考にしやすい内容も多そうです。
▼「お客様の声」に関するコラムもあわせてどうぞ!▼
「お客様の声」を管理・集計し、顧客満足度を高める方法とは?
アフターフォローは次の見込作り(マーケティング)につながる
すでに一部保険会社では品質手数料の導入も始めていることもあり、生命保険協会の認定代理店を目指してアフターフォローの体制を整えることが品質の向上につながり、ひいては代理店手数料の向上に直結する取り組みとなっているのです。【参考:保険会社の対応について(2023年11月時点)】
保険募集代理店にお支払いする販売手数料体系について(なないろ生命)
成功に導く報酬体系(アクサ生命)
当社の募集代理店手数料制度について(ソニー生命)
お客様本位の業務運営に資する「乗合代理店向け手数料体系の考え方」について(アフラック)
アフターフォローは見込作り(マーケティング)のためにも欠かせません。人口減少・チャネル増加などによって保険マーケット内の競争は激化し、以前にもまして新規契約を獲得し続けることは難しくなっています。
一般的には売上を分解すると 成約単価 × 成約率 × 顧客数 となりますが、もう少し細かく分けると・・・
成約単価 × 成約率 × 顧客回転数 × ( 既存顧客 + 新規顧客 )
となるのではないでしょうか?
広告費をかけて増やせるのは新規顧客だけですが、既存顧客を増やせれば、顧客数全体の底上げ・売上の向上につながります。つまり、既存のお客様からの追加契約やご紹介を増やすことは、収益の安定化に直結するのです。
保険が価値を発揮するのはご契約いただいた後。また、結婚・出産・退職などライフステージが変わるタイミングで、より自分にあった保障内容への見直しが必要になることも多いはずです。
「保険を見直したい」「保険を検討している知人を紹介したい」というタイミングで、お客様からご相談いただけるようにするには、契約後も定期的に接点を持つこと、保険のプロだと認識してもらうことが大切です。
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いまさら聞けない!?保険代理店に求められるアフターフォロー基本の「キ」!
CSBで出来るアフターフォロー施策のご紹介
このように、アフターフォローの重要性は高まっているものの・代理店として何かした方がいいとは思うが、募集人任せになっている…
・公式LINEやSNSを立ち上げたが、まったく稼働していない…
・メールマガジンを始めたが、ネタ探し・文章作成に時間も人員も割けない…
・レターやカレンダーなどを郵送していたが、コストがかかりすぎて続かない…
といったお悩みもおありかと思います。
アフターフォローの重要性は分かっている!
本当はやりたいけれどやれない!
といったお声にお応えするのがCSBのオプション機能である、アフターフォロー支援システム【L-Agent(エルエージェント)】です。
▼L-Agentとは?
顧客管理システムCSBのデータベースを活用して契約者様へのメール・SMS配信を実現!
▼名前の由来
Link(結びつき) + Agent(代理人) → L-Agent
▼L-Agentで出来ること
・ご契約者様へのメール配信
・顧客情報・証券情報に基づいたご案内
例:特定保険加入者への定期連絡 etc.
・SMSを使ったご連絡
例:災害時の安否確認、未納失効の連絡
・お客様の情報変更など連絡窓口
気になる方はぜひお問い合わせ下さいませ。
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エルティヴィーでは保険代理店さまの体制整備から、顧客管理、マーケティングまでトータルで支援しています。
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