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FD宣言報告方法について当局資料を用いて解説!保険代理店にも聞いたFD宣言差戻しの3大ポイントとは。

2026.06.05

 2021年4月、金融庁から「金融事業者における顧客本位の業務運営のさらなる浸透・定着に向けた取組みについて」と題した文書が公表されました。

 
金融庁ホームページ
「金融事業者における顧客本位の業務運営のさらなる浸透・定着に向けた取組みについて」
https://www.fsa.go.jp/news/r2/kokyakuhoni/202104/fd_2021.html
 
しかしFD宣言の報告をしたものの、差戻しを受ける保険代理店も多いとのこと。
 
・なぜ差戻しを受けてしまったのか・・・
・どのような点に注意して提出をすればいいのか・・・
 
初めてFD宣言の報告をする保険代理店様も、2回目以降の保険代理店様も、差戻しもなくスムーズに金融庁に提出※していただけるよう、弊社がキャッチした情報から分かりやすく解説をしていきます。
 

※保険代理店が金融庁にFD宣言の内容を知らせることについて、金融庁のホームページでは「報告」や「提出」と表現されています。エルティヴィーで調べたところ、 
・メールでFD宣言等を金融庁に送るという意味が強い場合は「提出」 
・ただFD宣言等を金融庁に知らせるという意味が強い場合は「報告」 
と、使い分けているようでした。 
そのため、本コラムでは上記にならって言葉の使い分けをすることとします。

 
併せてお読みいただきたい記事はこちら▼
保険代理店向け【FD宣言・KPI徹底解説セミナー】開催レポート
https://hoken-system.com/column/2021_0713/
 

*更新履歴* 2021/9/22、2026/5/28

「リスト掲載・維持」が代理店経営を左右する理由

保険代理店が公表・報告したFD宣言は、「顧客本位の業務運営に関する原則」と対応した形で明確に示されているか、金融庁によって審査されます。
そしてその審査の結果、原則と対応していると判断されると「金融事業者リスト」に自社の名前が掲載されます。
多くの保険会社では、リストに掲載されると「品質が高い代理店」とみなし、手数料ポイントが加算されます。

これまでリストに掲載されていても、「やはり『顧客本位の業務運営に関する原則』に則していなかった」と判定され、再提出を求められるという事例もあるとのこと。

もし内容不備を放置してリストから削除されてしまうと、手数料ポイントが下がり、会社の売上に大きな打撃を与えかねません。

そのため、自社のFD宣言の内容が現在の原則にきちんと対応しているか、今一度見直すことが極めて重要です。

それでは、どのような理由でFD宣言が差戻しされてしまうのでしょうか。

差戻し多発の理由

実際に差戻しを受けた保険代理店様に伺った情報を元にまとめていきます。

差戻し理由のほとんどが【形式的な不備】との事。その具体的な内容としては下記が挙げられるようです。

1)必要な項目が記載されていない、もしくは空欄がある
2)作成した取組方針(FD宣言)が各原則のどの部分に対応しているのか明記されていない
3)報告フォーマットとホームページ(HP)に掲載している取組方針(FD宣言)の内容が一致しない

この3点について、1つずつ解説していきます。

金融庁のHPには、Q&A、チェックリスト、フローチャート、記載例が入った報告様式ファイルが掲載されています。
<注意ポイント>
対象となる報告様式ファイルを間違えないよう、自社が前回いつ「金融事業者リスト」に掲載されたかの確認をすること


このファイルの各資料をしっかり読み込んだ上で報告書を作成し提出すれば【形式的な不備】はかなり軽減できるようにまとめられています。
差戻し理由と照合しながら、上記3点について解説していきます。

【参照】「金融事業者リスト」への掲載等に関するQ&A(2025年9月10日)

不備理由その1:必要項目が埋まっていない・空欄がある

【顧客本位の業務運営】の原則のうち「実施してない」「一部実施している」といった場合もあるかと思います。そうした場合、空欄のままの提出はNGです。

Q1:実施していない原則や(注)がある場合は、「対応関係表」において、空欄でよいのでしょうか。

A1:「一部実施」・「不実施」・「非該当」の原則や(注)であっても、自らのウェブサイトに掲載されている取組方針等に、その理由や代替策を、分かりやすい表現で記載することが求められます。
「対応関係表」の取組方針等の該当箇所欄には、当該取組方針等において実施しない理由や代替策を示している項目名・見出し・ページなどを記載してください。

ポイント▼
・実施しない原則がある場合もその理由・代替え策を盛り込む必要がある
・「一部実施/不実施」、「非該当」といった選択肢もあるため、空欄にはしない


不備理由その2:FD宣言が原則のどの部分に対応しているか明記されていない

FD宣言・KPIを自社のホームページに掲載しているだけではNG。対応関係表を用いて原則2~7、補充原則1~5のいずれかに対応しているかを明記する必要があります。

Q2:取組方針及び取組状況と本原則との対応関係は必ず報告フォーマット(2)※の様式を用いて明らかにしなければならないでしょうか。

A2:本原則との対応関係は対応関係表(報告フォーマット(2))を用いて明示することが必要となります。これは、顧客にとって、複数の金融事業者の取組方針等をより容易に比較できるようにするためです。
なお、他の方法(原則2~7及び補充原則1~5の順に取組方針等を記載又は取組方針等毎に原則2~7及び補充原則1~5との紐付けを記載するなど)と併用することを妨げるものではありません。

※報告フォーマット(2)とは、金融庁に提出する報告様式のうちの1つで、「原則との対応関係表」を作成するためのフォーマットです。

ポイント▼
・自社の対応方針と金融庁の原則を紐づけ、顧客に分かりやすいようHPなどに明記する
(対応関係表を公表する方法・原則と取組方針の紐付けを記載する方法)

【事例】広域乗合保険代理店ホロスプランニング お客様本位の業務運営方針
https://www.holos.jp/company-fd/

不備理由その3:報告フォーマットとHPに掲載しているのFD宣言の内容が一致しない

報告フォーマットは、求められる内容に関して正しく簡潔に記載をすれば問題ありません。
ただし、HPには不備理由その2の通り、自社の対応方針と原則の対応関係を詳細に記載する必要があります。

当局は、提出された報告内容の確認のため、各代理店のHPを確認するので、どのページの何行目に明記されているのか?を報告フォーマットに記載することが必要です。


Q3:「対応関係表」はどのように公表すればよいのでしょうか。

A3:報告様式の報告フォーマット(2)の形式で「対応関係表」を作成し、自らのウェブサイト上で顧客が見易いと考えられるところに掲載してください。
なお、「対応関係表」の掲載年月日は、自身が金融庁へ報告する際の報告期限から起算して、過去1年以内である必要があります。

ポイント▼
・自社の方針(FD宣言)と報告フォーマットは内容を一致させる
・対応関係表に記載するURLは、その内容が明記されているページのURLを記載する
・対応関係表には、自社方針の該当箇所がHPのどこにあるか(項目名・見出し・ページなど)を記載する


 ご覧頂いた通り、差戻し理由に対してどのように提出すべきなのか、Q&Aに明記されていました。この他にも、提出する上で参考になるポイントがまとめられていますので、別紙2のQ&Aは提出前にしっかり読み込んでおくとよさそうです。

【参照】「金融事業者リスト」への掲載等に関するQ&A(2025年9月10日)

金融庁が保険代理店に求めるFD宣言の内容はどう変わった?

FD宣言が求められてきた流れを振り返ってみると上記の通りです。

2017年3月 FD宣言を策定・公表
 ↓
2018年3月 具体的な数値指標KPIの設定
 ↓
2021年4月 定着のための取組・実践方法を所定のフォーマットで提出

このように段階を経て、求められる内容の難易度がアップしていることがわかります。当初は、いわば努力義務の一つであったFD宣言の策定は、今や保険代理店の業務品質を図る指標になりつつあります。

つまり、FD宣言は「公表して終わり」「KPIを設定して終わり」ではなく、質の高い保険代理店であり続けるための行動計画に変わってきていると言えるかと思います。

保険代理店として【FD宣言】に見出す価値とは

実際に差戻しを受けたという保険代理店様では、その後の対応は2パターンに分かれていました。

・金融庁から提示された期日までに再提出を行う
・金融庁の代理店のリストが公表された後に参考にし、次のタイミングで提出する

いずれにしても、「提出を諦める」といった保険代理店様はいらっしゃいませんでした。しかし既に現行の金融事業者リストには掲載されており、新フォーマットになっての再提出となる保険代理店様の場合は特に、まとめ直すにあたりそれなりに時間も人員も割くことになります。そうしてでもなお、提出をすることに保険代理店としてどんな価値・意味を感じているのでしょうか。

FD宣言に見出す価値➀ 言われた通りにこなす時代ではなくなった
保険代理店経営者様が口を揃えて仰るのは「これまでは、言われた通りにすればよかったが、今後は自分で考えて行動していく必要がある」ということ。まさに、金融庁が提言するプリンシプルベースの考え方を経営者様ご自身が持たれていると感じます。

FD宣言に見出す価値② 小規模保険代理店だからやらなくていいという理由にはならない
10名未満の某保険代理店経営者様は、今回一度差戻しは受けたものの次回の報告期限に向けて再提出の準備をしているとのことで、再提出を行う理由を・・・
「保険代理店を続けるには、金融庁からの指摘・やるべきことは規模にかかわらず取り組んでいこうと思う。」と話されていました。

FD宣言に見出す価値➂ 大規模保険代理店は「組織力」向上の為に・・・
大規模代理店においては、”FD宣言”として会社統一の目標・理想像を言語化することで組織としての一体感を高めることに価値を見出しているお話もうかがいました。

某来店型保険代理店様
「FD宣言を公表することで、社内的には社員の考え方やモチベーションにいい影響を与えていると感じる。例えばKPIで公表している継続率1つをとっても、数値で見える結果として意識をすることができ、それがプライドに繋がる。社員が自ら意識をすると、誇りを持って仕事ができるようになる効果がある。
また、社外に対しても公表をすることによって、公表した以上自分たちがきちんと実行していかなくてはならないという社員の意識付けに繋がっている。

某フルコミ系訪問型保険代理店様
「FD宣言の公表を通じて意識しているのは組織力の向上。5年後10年後を考えていったときに保険代理店としてお客様に何ができるのか?昔のように家族経営の小規模代理店ばかりではなくなってきているので、今後は保険代理店としてどうお客様を引き継いでいくのか?どう守り続けていくのか?そこを意識して組織力を向上させていくという事を目標にしている。
そういった意味合いでも、社員が日頃どんな意識でお客様と接しているか?実は、FD宣言としてをまとめていくうえで社員の真意を聞くことができるので意識の共有といった面でも役立っている。」

保険代理店が【FD宣言】に見出す価値として共通していたのは「社員の意識向上」そして「組織力の向上」ということ。FD宣言そのもので実現できるというわけではなく、策定・公表することで結果として社員の教育や組織力を強化していくきっかけにされていると感じます。

こういった観点から見てみると、FD宣言の策定・公表は保険代理店経営をより良いサイクルで回すために役立てられる1つのツールと言えるかもしれません。

また、弊社ではFD宣言の策定や運用に関する事例やお役立ち情報のご紹介も行っております。気になる方はぜひ下記コラムや資料をご覧頂き、ご興味お持ちいただけましたらお気軽にお問合せくださいませ。


▼FD宣言策定インタビュー
ライフキット様|社員全員が関わることで、「自分のことだ」と自覚を持てる
https://hoken-system.com/column/2019_0816/

ライフアシスト様|自社ならではの強みやこだわりを掲げることが大切
https://hoken-system.com/column/2019_0724/


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