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【金融庁パブコメ徹底解説|満期更改編】前年同条件なら他社比較は不要?判明した実務の境界線

2026.09.03

満期更改(更新)手続きのたびに全取扱商品の比較説明が必要になれば、これまでと比べて現場の事務負担が過大となり、中には実務に支障をきたす代理店もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
2026年8月のパブリックコメント結果で金融庁が示した実務上の境界線を、ルール適用の前提となる重要な基本概念とあわせて解説します。

 
金融庁ホームページ:令和7年保険業法改正に係る内閣府令等及び「保険会社向けの総合的な監督指針」等の一部改正(案)に対するパブリックコメントの結果等の公表について
https://www.fsa.go.jp/news/r8/hoken/20260828/20260828.html

1. そもそも比較対象となる商品の範囲とは?

今回の規制で何度も登場する「二以上の比較可能な同種の保険契約」という言葉。
これは、代理店が独自の判断や社内ルール、あるいは「取扱実績が少ないから」といった都合で勝手に決めてよいものではありません。

原則として、「所属保険会社等との代理店委託契約(または覚書等)により、代理店が取り扱うこととされている保険契約」を前提に判断されます。委託契約がある以上、募集人の都合で勝手に比較対象から除外することは不適切とされています。

ただし例外もあり、新規募集を停止している商品などは、顧客に取扱範囲を誤認させない説明を適切に行うことを前提に、比較推奨の対象外にすることができます。

(参照:パブコメ結果No.40, 41, 122, 330, 334)
パブコメ結果No.41
パブコメ結果No41

2. 「前年同条件」なら他社比較は不要?

では、更改時はどうでしょうか。
募集人による選別・提案が実質的に伴わず、顧客自身の主体的判断によって「既契約と同内容(または大きく異ならない内容)」での継続を希望した場合は、直ちに他社比較推奨(ロ方式)を行う必要はありません。

ただし、これが本当に「顧客の主体的判断」によるものか、募集人側から「前年通りで良いですよね」と恣意的に誘導していないかについては個別具体的に判断されます。

この点を乗り切るためには、「なぜ前年同条件での継続に至ったのか」を後から証明する仕組みが必要です。
例えば、意向確認シートに専用の必須チェック項目を設け、募集人が確実に意向確認を行ったプロセスを証跡として記録・チェックできる管理体制を整えておくことが有効です。

(参照:パブコメ結果No.111, 571, 615, 681)
パブコメ結果No.571

3. 「プラン変更(おすすめ案内)」や「商品改定」がある場合は?

更新時に、特約などを付加した「補償充実プラン(おすすめプラン)」を案内すること自体は禁止されていません。しかし、この場合は以下の対応が求められます。

提示にあたっては、変更点や既契約との差異、保険料への影響などを分かりやすく説明する必要があります。さらに、その結果として実質的に他社商品が比較対象になり得る場合は、他の選択肢があることの説明や追加の意向確認が必要です。
また、商品改定等で契約内容に実質的な変更がある場合も、変更の程度に応じた情報提供と意向把握を適切に行わなければなりません。

(参照:パブコメ結果No.576, 577, 578)
パブコメ結果No.576
パブコメ結果No.576

まとめ

満期更改は代理店の日常業務だからこそ、新ルールの施行に向けて、現場が混乱しない体制づくりが不可欠です。

2028年(令和10年)3月1日施行までの猶予期間があるうちに、まずは取扱商品の「新規募集」と「保全のみ」の切り分けを行い、その上で「これまでと同じ内容で続けるとき」と「新しいプランを提案するとき」で、現場の進め方をシンプルにルール化しておきましょう。

2026年8月に公開された金融庁のパブリックコメントから
代理店実務に直結する5つの重要ポイントをまとめたコラムはこちら

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